創る、伝える、企画する日々ダンス漬け!伊藤直子の超日常


by session-house
まだ2月!ダンス公演は毎週のようにあり、ダンサーたちは誠実に踊ります。もう1年間も見たような、圧倒的な質量を感じます。

セッションハウスという小さな場での定点観測ですから、偏っているとは思いますが、ダンスの変化を感じます。小劇場を活動の場としているダンサーに限るかも知れませんが、変化が形になり始めてきた感があります。

個人の体から創出されるダンスは、何でもありと言われる個人的なダンスとして、アイディアや、テーマ等、各個人の提示するモノを楽しむダンス=コンテンポラリーダンスとして人々に届いていたように思います。

ダンサーの身体が強さを増してきて、個人の提示するものが普遍性を持ってきたというのかな、
大きなテーマをダンス作品にするために特権的な身体とテクニックが必要だったモダンダンスや、そこからもっと身体性に照準を当てたポストモダン、と発想をまったくことにするコンテンポラリーダンスの身体性が実ってきたというのかな、
強度を持った体の個人性が放つ普遍性というのかな、

今年になって、心を揺さぶられるダンサーにもう何人も出会いました。
作品というより、ダンサー個人の体が発する物語、とでもいうのかな。

素朴な体が語る詩のような、彫り込んでいく彫刻のような、こんなジャンルはもっと素朴な名前で親しまれるといいな、と「コンテンポラリーダンス」というジャンル名に不自由を感じるこの頃です。


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# by session-house | 2017-02-26 16:10 | Comments(0)
名物近藤良平「神楽坂とさか計画」。今年も音楽とダンスが真正面から向き合いました。一音一音、創られた音に、動きを当てていく作業は、サッカーの試合のように目的が明確で、観ている私も共に共有している感覚になります。ダンサー個々が感情をほとばしらせず、しかしゴールという同じ目的に向かう動きは熱を持ち、観る者を高揚させます。

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楽しかった!すごかった!今年もです!毎年です!それってすごくないですか!

1月は「ダンス花アワード」で若手の挑戦する熱情ある作品に高揚し、「とさか計画」で生ピアノとダンサーの疾走に高揚し、時代はますます混迷の中、ダンサーたちの体は生き抜こうと熱を出しているように感じ、私はそれに高揚します。

2月は「カトルカール」「ダンス花アドバンス」と続きます。
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ダンサーの仕事が確立されていない日本の現状の中で、どう続けるかは大きな問題です。持続可能な体と環境を作って継続してきた女子振付家たちにお願いして続けてきた「カトルカール」は11回目を迎えます。2回参加の方もいますが、ざっと44人の振付家が44作品を作ったことになります。そしてまだまだお願いしたい振付家がたくさんいるこの状況!すごいことだと私は一人感動しています。そして見てはまた感動を新たにしています。恵まれない環境の中で作り続けてきた力、まさに継続は力なりと実感します。

コンドルズ公演でも、良平さんと勝山さんの旗印は同じ”継続は力なり”でした。続けることの困難さは、才能だけでも、運だけでも、努力だけでも乗り切れないなと、近頃つくづく感じます。助けられてある道ですね、一人では困難に押しつぶされてしまいます。「カトルカール」の皆さんもきっと一人一人物語を抱えて継続してきたのだろうと思います。見てくださいと言いたいところですが、今回は売り切れ、満員御礼です。素晴らしいですね。

「ダンス花アドバンス」は是非見てください。まだまだたくさんの観てくれる方を必要としています。8組の若手が創り、踊ります。継続はまだ情熱だけで保たれていますが、持続するには、観てくださるあなたの力が必要です。ダンサーの成長は舞台で作られます。舞台に立ち会い、観る人の感情が場を作り、ダンサーがキャッチする、開かれた舞台を共に創ってくれる人が必要です。若手はまだ場を開くことに不器用でもありますから、観る側の感性で楽しんで、声をかけてください。できれば当日はヘロヘロなダンサーたちに誉め言葉を。

忘れてはならないのがノンセレクトのシアター21フェス、1月も心奪われるダンスに出会いました。ステップアップを2月に実施。これもぜひ見ていただきたいです。不穏な時代だからこそ、個人の思いを形にする作業が必要と、感じます。






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# by session-house | 2017-02-01 21:41 | Comments(0)
本日初日は笠井瑞丈「雪の蠅」。もう何年前になるのでしょう、翌日春の雪を降らせた鮮烈なデビュー!「春の雪」ソロ公演が瑞丈君を観た最初の舞台です。お父上笠井叡さんの舞台を観て”神だ”と信じたあの日からもずいぶんの月日が流れて、私も何回目かの年女、そしてセッションハウス26年目の幕開けです。

コンテンポラリーダンス、というジャンルは個別的であるという大きな特徴があります。価値観も土台とするテクニックも違うこのダンスは他に類のない面白さを持っていますが、だからこその玉石混合。しかもどれを玉石とするかも自由、という厄介といえば厄介な性質を持っていると思います。

「ダンス花」シリーズで若手研究者たちがダンサーたちにたくさんの質問をします。わかったことが一つ、”自由”ということが若いダンサーたちの心をとらえている!ということです。社会的な価値観も何を根拠にすればいいか悩む現在にあって、自分で決める”自由”を大事なこととするこのジャンルは「とてもいいじゃないか」と私は思うわけです。

玉も石も混在のダンスが存在できる社会は「とてもいいじゃないか」と、大きくも思うわけです。

そしてそのダンスを視覚化する体が、日々のレッスンで作られ、守られ、舞台に作品として上がるその時を、今年もたくさんのダンサーたちと共に創り上げていきたいと、新年を迎えて思います。
きっと今年もココロオドル、ダンスの数々が玉か石かと悩ませながらも楽しませてくれるでしょう。

高齢者という枠から外され、準高齢者となった今、そのような基準からも自由に、擦り切れるまでわがままに踊り三昧で行きたいと願うのみ。とさか計画の原田衣裳のデザイン画を観て「すごいよね」という近藤良平ボスの言葉を励みに、調子にのって準高齢者軍団、今年も羽ばたきます。

1月近藤良平「神楽坂とさか計画」、3月マドモアゼル・シネマ「春の祭典」、まずは自分でいうのもなんですが、私の思う”玉”公演ぜひ観てください。これが私の価値観であり、美意識です。

末永くコンテンポラリーダンスを届け続けられるよう、今年も力を貸してください。待っています。
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# by session-house | 2017-01-07 15:18 | Comments(0)
毎月続く自主企画が今年は先週のマドモアゼル・シネマをもって終わりました。今年も走りました。セッションハウス25歳、マドモアゼルシネマ23歳、自分の歳とかけ離れた若さを走りました。

今年のハイライト!は、
毎週毎に変わり、その都度のその週の舞台がやはりハイライト!

2016年の「ダンス花アワード」受賞者も決定!まだHPでの発表が出来ていませんが、DM発送は終わりましたので、ここでそっとお知らせします!

審査員賞 松本武士 「-DOKO-]
観客賞  五十嵐結也「さよならともぢくん」

二人のユニークな作品に、審査員三人ともが良しとしました。受賞理由などはHPで後日発表致しますので、そちらでお読みくださればうれしいです。

世界の情勢が不穏な中で、ダンスなどしている場合かと思う気持ちの昨今ですが、私たちダンサーはこれがあるから生きていられる、と感じます。そのことだけが原動力です。しかし内向きの題材であっても、外に届けるために力を持ちたいものです。ダンスの力、ダンサーの力、はまだまだ発揮できると信じます。

ダンスする我々の、”好き”で動くエネルギーがもっと社会に届きますよう、またくる年も頑張ります。今年もたくさんのダンスに笑ったり、泣いたり、たまにはわからなかったり、それも含めて全部ダンスのおかしさ、ダンサーの皆さんと共に駆け抜けました。

私は今年は早めの大掃除に入ります。
では「どうぞ良いお年を!」
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# by session-house | 2016-12-22 16:45 | Comments(0)

東京!

私が初めて東京に来たのは、もう50年以上も前、高校の修学旅行でです。どれだけ時代が違うかというと、男子は立身出世のため国を離れるが、女子はほとんどがその一生を生まれた場所で過ごすであろうと、男女共学であったにも関わらず、女子のみの修学旅行!

京都、奈良、東京を一週間でみて回り、引受人の有るものはその後居残り単独行動ありというものでした。私は居残り組として、東京を楽しみました。

その頃、東京は夢であり憧れであり、普通の生活があるとは思いもしません。すべてがテレビドラマの中、現実の人とは思えない人々が街を行きかい、お祭りの日のような人だかりでどこもがあふれている非現実、非日常でした。

今やその非現実に住み始めて45年。非現実が日常になり、今でも実感のわかない不思議な思いをします。女子の暮らしも男子の暮らしも大きく変わり、私の時代の常識は今では死語。今の常識は私には非日常。それでも共有する現実があり、私たちは共に東京を題材に体物語を作ります。

昔のあの日が昨日のようであり、たった一週間前のことが遠い日のことのようだったり、時間も記憶も平等ではありません。たくさんの忘却を抱えながら進む人生という面白さ、それを形にするダンスという作業の面白さ、それを共にするのが50歳も年下という愉快。

短縮版になった東京物語、50年の時間を飛び交います。今夜はスタッフ下見。段々私の手を離れる作業が始まります。これも好きな作業のひとつ、私の想像が創造に変わる作業です。
年の瀬、今年の泣き笑いを振り返りながら、観ていただければ嬉しいです。
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# by session-house | 2016-12-13 20:01 | Comments(0)