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創る、伝える、企画する日々ダンス漬け!伊藤直子の超日常


by session-house

見えない雲

ダンサーのアキちゃんが読んでみて下さいと貸してくれた「見えない雲」
昭和63年に読んだ、アキちゃんの署名入り。作家はグードルン・パウゼヴァング
チェェルノブイリ原発事故直後に書かれた小説で、主人公は14,5歳の少女。
ありえないといわれている中でおきたドイツでの原発事故として描かれていて
この出来事は、あまりに現在の福島と重なり、現実の悲惨を思い慟哭。

「東京タンゴ」の振付に入り、昨夜からポワントワークに突入。この作品を
作ったときフランク・パブロフの「茶色の朝」を読み、1つのことを強いられる
ことからおきる理不尽さを考えたけれど、いつの間にか私たちはどっぷり
「茶色い朝」の中にいたのですね。
ダンスはたかがダンスなので、驚いたり、笑ったりしてもらいたいのですが、
あまりの現実のすごさに、いまダンスなどをしていることにびびります。
ダンサーはそれでも、現実にポワントという肉体の痛みと闘います。
私はどこも痛まず、ダンス!と神楽坂の地下鉄のホームを歩きながら、滅入ります。

答は簡単に出せませんが人を巻き込んでの作業、抱え込むしか出来ません。
小説を読むことで、現実の悲惨が思い起こされる経験は今まで知りませんでした。
おろかさに、本気で気付き、行動しないと、私は未来を手渡せなくなります。
by session-house | 2011-06-14 20:31